カラコン 通販の可能性
利用するしないは投資家の自由だが、発行体企業と巧妙に結託して投資家を欺くのは詐欺に近い。
それを取り締まるのは、公平な市場をつかさどる金融監督当局の役割でもある。
とりわけ大きいのは、O政権が監督はできるだけ格付けに頼らないようにする方向を示したことだ。
パーゼルEが格付けを規制の基礎に位置付けて格付けに箔を付けたが、その流れを否定するものだ。
格付け会社は格付けが責任を伴わない参考情報だと主張しているのだから、投資家に参考情報にとどめるよう促す。
参考情報を規制の中核に位置付けたのはパーセルI員会のミスで、米当局は格付けを規制に用いない。
CDSから始まった脱格付けの流れは、銀行監督にも広がり、格付けの役割は次第に低下する公算が大きい。
格付け問題の本質は、格付けが金融の根幹に利用されるようになっていることにある。
それがサブプライムローン問題で揺らいだため、金融の機能不全に拍車をかけた。
規制は必要だが、それによって格付け会社が成り立たなくなると、金融に大きな打撃となりかねない。
ひとつは格付けが証券化の基礎になっていたことだ。
証券化は複数の資産を集めて担保となるプールを作り、それを裏付け資産に有価証券を発行する。
裏付け資産の情報は開示されても、その内容は複雑で、量も膨大だ。
証券化商品を投資家に販売するには、その商品の質を示す目安がどうしても必要だった。
それが格付けだった。
投資家は普通の社債についている格付けと同じように、証券化商品の格付けを信用して投資した。
サブプライムローン問題では格付けの欠陥が明らかになった。
ただそれで格付けの信頼が崩壊すると、証券化は成り立たなくなる。
実際に格付けの信頼低下で、証券化商品の組成は急減している。
証券化自体が、米国では金融の3割近くを担うなど欠かせない存在になっており、格付けが金融を大きく揺さぶる結果になった。
2つ目は金融の国際化だ。
かつて金融機関や投資家は投融資の際、自ら信用力が判断できるものを対象にした。
自ら信用が判断できるのは、基本的には自国の企業が中心になる。
国際的な投融資を手がけたのは、海外にネットワークを持ち、海外企業の信用判断ができる一部の金融機関にとどまっていた。
ところが格付けが普及し始め、金融機関や投資家の多くが海外の企業などに投融資を始めた。
自らは信用力が判断できなくても、格付けを利用して信用力を判断できるようになったからだ。
日本の投資家が地球の裏側のブラジルの企業の社債をある程度安心して買えるのは、格付けがあるからにほかならない。
格付けの信頼が低下すると、投資家は自ら信用力を判断できない企業などには投資しにくくなる。
実際、サブプライムローン問題で格付けが疑問視されたあとは、各国の金融監督当局は格付けだけに頼った投融資をするのではなく、自ら情報を集めて判断するように勧めている。
日本の地方銀行などの投資家は、海外企業への投資などには慎重にならざるを得ないと漏らしている。
1980年以降、マネーのグローバル化を支えたのはまさに格付けだった。
格付けが信頼できないとなると、国際的なマネーフローに縮小圧力がかかる。
グローバル化の揺り戻しにつながる恐れが大きい。
その場合には、国際的なマネーに支えられる新興国や米国の経済に多大な影響が出ることになる。
格付け規制が難しいのは、格付け会社に精綾な格付け判断を求めれば、格付けのカバー範囲が細る可能性があることだ。
例えばアフリカ企業の格付けに現地調査を求めたりすると、格付け会社は採算が合わないのでアフリカ企業の格付けを手がけなくなり、いつまでたってもアフリカへの投資が起きないジレンマに陥る。
今後は、格付け規制とグローバル経済の折り合いが、焦点に浮上しそうだ。
3つ目は、格付けが国際的な銀行監督の基準であるパーゼルEの根幹に取り入れられている点だ。
2006年末には欧州連合(EU)が、3月末には日本がパーゼルEを導入した。
格付けが正しいとの前提に立てば、パーゼルEはパーゼルより大幅に精度が上がったはずだった。
ところがパーゼルEを取り入れていた欧州や日本の銀行が保有する債券に大幅な損失や含み損失が発生し、経営が揺らいでいる。
パーゼルIの枠組みだと100%とされたはずのリスク量が、パーゼルEでは低く見積もられ、かえって問題を大きくした可能性がある。
現時点では格付け会社への信頼は回復しておらず、O政権が規制の格付け依存を下げるべきだとしている。
パーゼルEの根本哲学に疑問が発せられた格好で、銀行規制の根幹は揺らいだままだ。
金融危機後、欧米の金融機関には公的資金が投入され、その債務には政府保証が付いている。
的にはその信用補完を徐々に外していき、再び民間銀行の信用に基づく金融秩序を回復する必要がある。
その際に、格付けや格付けをベースにしたパーゼルEのあり方が適切かどうかの再考が迫られる可能性が大きい。
それまでに格付け会社が自ら襟を正し、信用を回復できるかどうか。
格付けが証券化、国際化、銀行の自己資本比率規制を支え、この初年の金融発展の礎となった。
サブプライムローン問題が提起したのは、そうした格付けに立脚したこの却年の金融の脆弱きであり、格付けの信頼が取り戻せるかどうかが、国際的な金融秩序の安定性を回復できるかどうかのカギを握っている。
1990年代以降の金融発展の原動力は、デリパティブだった。
スワップ、オプションなど、マネーフローの形を変える技術で、金融商品は変幻自在に組み立てられるようになった。
2000年代にはCDSと呼ばれる信用デリバティブが急拡大し、債券や融資などの信用リスクを回避できるようになった。
ただし、これらの取引には、小さな元手で大きな利益がねらえる投機的な側面があり、その投機の失敗が金融を大混乱に陥れた。
AlGがはまったCDSのわな2008年2月、米大手保険会社AIGの、米証券取引委員会(SEC)に提出したフォーム8Kと呼ばれる書類が、金融市場に波紋を広げた。
その中の記載で注目されたのは、子会社のAIGFPだった。
サブプライムローンを裏付けとするCDOのスーパートリプルA部分を対象にしたCDSのプロテクションを売ることで、デフォルト時の支払保証をしていた。
CDSは、社債などの信用取引に関して、債務不履行など信用事由が発生したときに、そのキャッシュフローを肩代わりする契約である。
サブプライムローンを裏付け資産とするRMBSを証券化したCDOについては、格付けのあり方が問題になっていた。
そこでCDOを証券会社などから購入した投資家は、CDOがデフォルトを起こしてもそのキャッシュフローが確保できるように、AIGFPからCDOのCDSプロテクションを購入していた。
そのCDSのプロテクションの売り持ち高(実質的な保証)について、会計会社のプライスウォーターハウスクーパーズが評価を問題視し、適正価格の算定に関して「重大な弱さがある」と指摘した。
前年央からサブプライムローンの焦げ付きが増え、RMBSやそれを集めたCDOで債務不履行の増加が懸念されており、プライスウォーターハウスクーパーズはより厳格な評価を求めた。
具体的には、AIGFPは適正価格を算定する際、関連する現物の時価を参照していた。
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